試験中に時刻のアナウンスはいたしません。
また、腕時計以外のもの(携帯電話・置時計・ストップウォッチ・ウェアラブル端末など)を時計として使用することはできません。
時計をベランダに干す女
こんにちは、
晴れた日には時計をベランダに干す女、あ〜り〜です。
今日は、最近父から譲り受けた、ソーラー式充電時計
casioのG-SHOCK MR-G
画:左利き画伯あーりーの右手
↑これ
の話。
先日、はじめてTOEIC Rrading & Listeningテスト(日本のサラリーマンにとって最もメジャーな英語検定。たぶん)を受けて来たのだが
そこで申し込みハガキの持ち物欄に書いてあった
そう、腕時計。当然、もっていない。え、持っている?いえいえ、
平成生まれのあーりーは、
現在地を調べるのも
目覚まし時計をセットするのも
スケジュールをメモするのも
ごはん代を計算するのも
本を読むのも
音楽を聴くのも
買い物も
決済も
人生相談(グーグル先生)も
ぜ〜〜んぶ、スマホ一台で完結。
しかもかなりの汗っかきであるゆえに、これまでチャレンジしてきた腕時計は全てかぶれて断念してきた経歴持ち。
極めつけは極度のめんどくさがりやのため、一度電池が切れると時計屋にもっていくのは めんどくさすぎて無理 という
腕時計を買わない理由トリプルコンボ
を達成してしまっていた。
そんなわけで当然のように腕時計のない私は困り果てた。
ああ、せめて、電池の切れない時計があれば。
時計屋にもっていくのだけは、
それだけは
どうしてもめんどくさい。。。 ! ! !
そんな愚痴を母にこぼしつつ、仕方なく近所の雑貨屋で安い懐中時計を買って帰った日、
机の上に、見慣れぬ黒い、無骨な時計がそっと置かれていた。
「なに、これ?」
聞くと、どうやら話を母づてに聞いた父が、使っていない時計を譲ってくれるらしい。
「なんか、何万もするいい時計みたいで、多機能で、ソーラー式充電だから電池交換も要らないし、あんたにどうかって」
正直、私はシンプルなデザインが好みだ。
アルネヤコブセンとか
ヌーンコペンハーゲンとか
北欧デザインの、必要最低限の機能だけを備えた、スッキリと軽快で上品な、
ミニマルなアイテムが好きなのだ。
この時計はといえば、まるで正反対なのである。
まず、オールブラックの重厚感あふれるカラーリングであり、
ストップウォッチや曜日表示、サーチライト搭載などなどゴリゴリの多機能、
床に叩き付けてもトラックで轢いても深海に潜ってもぶっ壊れないタフネス、
そしてメカニックチタンベルトにチタンパーツのデザイン。
これでも、若干22歳の女子なのに、いささか無骨すぎではないか。父よ。
とはいえ、安くない値段で買った時計をくれると言っているのだから、
まあ一度試すくらいはするのが礼儀ってもんである。
ずっしり重量感のあるそのMR-Gをカチャリと右腕にはめてみると、
おや?
なんか似合ってね?
なぜか、不可解な程に似合う。
なぜだ?
この、ヒョロヒョロしていかにも弱そうな私のどこに、このダンディズムとタフネスを体現したような時計が似合う素質があるというのだろう。
しばし、腕を振り回したり、戦闘のポーズをキメてみたりしながら、この時計との相性を確かめているうちに、
なんだかだんだん愉しくなってきている自分を発見した。
「これ、なんかあったときはブン投げれば武器になるやんか」
「ここの盤面のとこでパンチしたら戦闘能力高いべ」
などと言ってキャッキャと喜ぶ少年のような私に、「そうだねえ!」と聖母のような眼差しで応える母親。。。
気に入った。
これこそ、私の求めていた腕時計である。
人間、なんでもバランスというものが大切なのだ。
いかにも弱そうな私に必要だったのは、おしゃれな北欧デザインの腕時計でもなければ、
華奢な腕をさらに華奢に演出する小振りなレディース時計でもない。
いざというときは武器として共に戦う事のできる、頼れる無骨な親父時計である。
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そんな訳で、現在私はすっかりこの時計に馴染み始めた。
さらに、
G-SHOCKファン感謝祭なるものも目ざとく見つけ、参加する気マンマンである。
もちろん、この、ぶかぶかの親父時計と共に参戦するつもりだ。
つよいおんなは、お好きですか。
◎ほんじつの右手ライティング 2018.5.1