言葉なんて当てにならない?
言葉を使えるようになりたくて、言葉にするということについてあれこれ考えていたら、
妙な結論に至ってしまった。
”言葉なんて当てにならない”
である。
めぐりめぐる 日々の中で 確かなもの 掴みたかった
わかってるのさ 何も出来ないこと 言葉なんて当てにならない
やたら大きな空と土の下で 人間なんてただのありんこさ
打ちのめされて帰る夜に 気がつけばいつもここにいた
Wow いま朝日が Wow 昇ってゆくよ
Wow 命あるもの Wow 同じ時の中
数年前までは、リクルートサイトといったらリクナビかマイナビという感じだったと思うが、今では"エージェンシー"という、担当のアドバイサーがついて、その人になんでも相談するというサポート体制のリクルーティング業者がいくつも存在している。
当初の面会予定が1時間だったのを、2時間弱は話したのではないかと思う。
終わった後も、スマホでやりとりもして、さんざん自分について説明し、自分がどんな人間であるかについて、言葉を尽くした。
今度また会って一時間程度話しましょう、ということで、
「自分と向き合う事」という宿題が課された。
その後、なぜか私は言いようの無い虚無感に包まれている自分を発見した。
言葉は、もうさんざん尽くしたと思う。
私から出てくる言葉が、彼に届いていない感じがした。
そのまま雨の中をぴちゃぴちゃ帰路につき
ぐったりと眠りについて、
翌朝起きると快晴だった。
昨日とはうってかわって、バカみたいに晴れた、気持ちのいい朝。
私は、さっと朝食を済ませると、埃のかぶったギターケースを引っ張りだして、
昔の懐かしい曲を口ずさんだ。
やたら大きな空と土の下で 人間なんてただのありんこさ
その言葉は、まさしく私の気持ちそのものだった。
私はありんこ。
せこせこ砂糖を運んで、巣に持ち帰るだけだ。
踏みつぶされたら、いちころだ。
この、バカみたいに快晴の空の下で、わたしはほんとに、自分がありんこみたいに思えた。
懐かしいいくつかの歌を鳴らしていたら、
自分が大切にしていた気持ちをいくつも思い出して
ギターを埃だらけのケースにしまった。
よし、わたしの、やるべき事のために今日も使って行こう
たまには歌を歌う事を、忘れずにいよう。
私は、音楽を好きだと思えるにんげんなのだ。
だから、歌がありさえすれば大丈夫なのだ。
言葉がダメなら、歌がある。
そのことが、こんなにも心強いだなんて。
よく寝て歌って、空が晴れてりゃ、心配することなんてなんにもない。
ほんとに、そんな気がしたのだ。
◎ほんじつの右手ライティング *1
*1:
右手ライティングとは?
左利きの落書き名人あーりーによる、右手を使ったライティング&ドローイングのコーナー。
使い慣れない右手が醸し出すヘタウマの可能性を地道に追い求めていく。
2018.5.11